福岡市東部動物愛護管理センターへ

先日５月８日、福岡市が運営する施設、2ヶ所のうちの1つ。
『あにまるぽーと』の見学へ行ってきました。
福岡ICからは車で7分ほどの場所。

見学の目的は、犬猫殺処分に関する現状と、保護活動の現状を知るため。

入口で資料を受け取り、簡単な説明を受けた後、施設内を案内してもらいました。

この施設は43年前に建てられたもので、当時は西日本最大級・最新の施設だったそうです。今では老朽化が進むものの市からの予算も限られるため、現場の職員さんたちで試行錯誤しながら保護された犬猫の環境を整えておられる姿が印象的でした。

このあと殺処分所の写真掲載がございます。

福岡の犬猫殺処分の現状

今回の訪問目的の1つ、犬猫殺処分の現状については、
「実質的殺処分」犬ー０頭・猫ー０頭（集計の確定している令和4年度データ）。

殺処分０頭の数字にホッとしたものの、その裏には保護活動の大変な苦労があることを知ることとなりました。
犬に関しては、野良犬がほぼいないことに加え放し飼いが法律で禁止されているため基本的に飼い主がいるのですが、脱走や放棄など様々な理由から施設へ収容され、一部は飼い主の元へ無事に戻り、残された犬たちは譲渡により新たな飼い主へ移るとのことで、今では殺処分される犬はほとんどないそうです。

特に深刻なのが猫。収容されるのは野良猫で特に子猫が半数以上。見学中にもミャーミャーと高い声で鳴く子猫たちが運び込まれる場面もありましたが、

と現実を前に無力さを感じました。
収容される理由は他にも、多頭飼いをしていた飼い主が失踪して残された猫を保護するなんてこともあるそうです。

ここからは殺処分の行われ方について少し。
現在は実質的殺処分ゼロの年も増えてきているようですが、十年程前まではガスによる殺処分が行われていました。改正動物愛護法により現在では致死量の薬を注射する方法で行われます。こちらの施設の中には実際に執行していた場所もあり希望者は見学することができます。中に入ると異様な空気感が漂いました。

実際に殺処分を行っていた経験のある施設の方から話を聞くとこができましたが、その時の様子はいまだ、伝えることをはばかられます。
言葉にできないずっしりと重たいものを感じました。戦争経験者の方がなかなか口を開かない感覚はこういう感じなのかなと想像してしまいました。

動物が大好きで就いた仕事。職員さんも獣医師さんも、命を救いたくて入った世界での辛い現実があることを目の当たりにし胸が苦しくなりました。

犬猫に共通する最近の問題

犬猫に共通する最近の問題としては、飼い主が高齢になり飼えなくなるパターンも増加してるとのことでした。

私は以前、犬を飼っていた経験がありますが、見学していて驚いたことがありました。
ちょうど餌の時間だったのですが、収容されていた５匹の犬たちが食べていたのは見るからに栄養バランスのとれた良質な餌でした。
施設の人に話を伺うと、餌だけでなくあらゆる面で外部ボランティアの方々からも情報やアドバイスをもらいながら、よりよい環境で収容生活を過ごしてもらえるよう工夫しているとのことでした。心身共に元気になった状態で譲渡され、最後まで幸せな人生を送れるようにと、職員さん＆ボランティアの方々が心を込めてお世話されていることを知り、目頭が熱くなりました。

私たちにできること

最後に、「私たちにできること」は何だろうと考えた結果、まずは興味を持つこと、現状を知ること、そして実際に目にすることなのではないかと思います。
その先で、現実としてどういう形で関わるのか、関わらないのかを選択する。

CATS９の活動を通して、犬猫に限らず、地球で一緒に生活している人や地球の命について、今、私たちが生かされている意味について、考えるきっかけになれば幸いです。